
情報収集・共有爆速化!生成AIによる技術ブログ自動生成ツール
近年、生成AIへの注目度が急速に高まっており、社内外のさまざまなプロジェクトにおいて活用が進んでいます。
株式会社エヌアイデイにおいても、今後の需要拡大を見据え、生成AIに関する最新技術の知見を獲得するとともに、組織内でのノウハウ共有を進めることが重要なテーマとなっています。
特に若手エンジニアの情報収集プロセスに着目すると、AWSサービスの仕様やベストプラクティスを調べる際、公式ドキュメントだけでなく、インターネット上に公開されている技術系ブログ(特に個人が作成した記事)を参考にするケースが多いという実態があります。一方で、検索・取捨選択に時間がかかり、得られた知見が組織内で十分に共有されないという課題もありました。
こうした背景から、生成AIを活用し、知りたい技術情報を「ブログ風コンテンツ」として簡単に自動生成できる仕組みを構築することで、情報収集の効率化と組織的なナレッジ共有を実現できないか、という検証に取り組みました。
※本記事はスライドの記載内容をもとに、検証の要点を簡潔にまとめています。詳細な検証内容や技術的な説明は埋め込みのスライド本文をご参照ください。
INDEX[非表示]
- 1.検証の目的
- 2.検証方法
- 2.1.利用した生成AIと採用理由
- 2.2.システム構成と利用サービス
- 2.3.二つの入力モード
- 3.検証結果
- 4.まとめ
検証の目的
本検証の目的は、大きく以下の2点です。
- 生成AIを実システムに組み込む際の設計・構築ノウハウを蓄積すること
- 単なる技術検証にとどまらず、若手エンジニアが目的に合った技術情報を迅速に取得できる環境を整備し、育成につなげること
検証方法
利用した生成AIと採用理由
生成AI基盤としては Amazon Bedrock を採用しました。
Amazon Bedrockは、Anthropic社のClaudeシリーズやMeta社のLlamaシリーズなど、複数の基盤モデルをAWS上で共通APIにより利用できるプラットフォームです。
採用理由は以下の2点です。
- 複数モデルを共通APIで迅速に試すことができ、用途に応じた最適なモデル選定が可能であること
- 入力情報や生成結果がモデル提供元へフィードバックされず、企業利用においてもセキュリティ面が担保されていること
システム構成と利用サービス
検証環境はAWS上に構築し、以下のような構成としました。

- フロント層:Amazon CloudFront(入出力ページのHTML配信)
- API層:Amazon API Gateway(フロントとバックエンド間の通信)
- 処理層:AWS Lambda(ブログ生成、保存、DB更新)
- テキスト生成:Amazon Bedrock(Claude 3 Haiku)
- 画像生成:Amazon Bedrock(Nova Canvas)
- URL選定:Amazon Bedrock(Titan Embeddings)
- AI補助:Amazon Bedrock AgentCore(URL内容抽出・要約)
- コンテナ:Amazon ECR(AgentCoreの実行環境)
- ストレージ:Amazon S3(生成ブログの保存)
- データ管理:Amazon DynamoDB(ブログ生成履歴・URL管理)
- 監視通知:Amazon CloudWatch / SNS(Lambda監視・障害通知)
ブログ生成の流れとしては、ユーザーがキーワードやテーマを入力すると、API Gateway経由でLambdaが起動し、Bedrockを用いてブログテキストおよび必要に応じて画像を生成、生成結果をS3に保存する仕組みです。
二つの入力モード
ツールには以下の二つの入力モードを実装しました。
- URL手動入力モード
ユーザーがキーワードと特定のAWS公式ドキュメントURLを指定し、その内容をもとに技術ブログを生成する方式。 - AI自動入力モード
キーワードのみを入力し、生成AIがAWS公式ドキュメントを探索・評価・選定したうえでブログを生成する方式。
これにより、公式ドキュメントURLがわからない場合でも、迅速に技術情報を取得できるようにしています。
※構成図や詳細な検証手順はスライド本文をご参照ください
検証結果
苦労した点
検証を通じて以下の課題にも直面しました。
- 検証初期におけるメンバー間コミュニケーション不足による認識齟齬
- 要件定義を曖昧にしたまま進めたことによる手戻り
- 生成AIの回答を鵜呑みにしたことで、Bedrock AgentとAgentCoreの仕様差に気付くのが遅れた点
- API Gatewayのデフォルトタイムアウト(29秒)により、生成処理が失敗した問題
これらに対しては、定期的な情報共有・レビュー体制の整備、要件定義の再整理、複数AIによるファクトチェック、API Gatewayのタイムアウト設定引き上げ(120秒)などの対策を講じ、安定した動作を実現しました。
得られた経験
本検証により、以下を経験することができました。
- 生成AI関連サービスを含むAWSの各種機能を組み合わせ、技術ブログ生成システムを一から構築したことによる、システム開発の基礎知識の習得
- ClaudeやAmazon Novaといった複数の基盤モデルを実際に使い分けることで、モデルごとに得意・不得意があることを実機で体感
- 生成AIは便利である一方、ハルシネーションリスクを理解したうえで多角的に活用する必要があるという実体験
まとめ
「得られた経験」でも前述したとおり、今回の検証を通じて、生成AI関連サービスを含むAWSの各種機能を組み合わせ、技術ブログ生成システムを一から構築する経験を得ることができました。
これにより、システム開発の基礎力向上、LLMに関する実践的なノウハウ習得、生成AI活用時のリスク理解といった成果が得られています。
今後は、単一のAWS公式ドキュメントだけでなく、複数URLを参照した記事生成への拡張や、URL最適化機能の精度向上を検討しています。
本検証で構築した検索・評価・提案の仕組みは汎用性が高く、AWSドキュメントに限らず、さまざまな技術文書を対象とした情報探索ソリューションへの応用も期待できます。
エヌアイデイでは今後も、生成AIを含む最新技術を積極的に検証・活用し、技術力の向上と価値創出に取り組んでまいります。
※本資料に登場する会社名・製品・サービス名、ロゴマークなどは該当する各社の商号・商標または登録商標です。








