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24/365とは?システムの安定稼働を支えるプロセスと運用体制を解説

24時間365日、システムが止まらずに稼働し続けるためには、どのような仕組みや対策が必要なのでしょうか。膨大なアクセスを処理するECサイトや社会インフラに欠かせない基幹システムのように、サービスを停止できないケースは世の中に多く存在します。そんな場面で鍵となるのが24/365運用です。

ここでは、24/365運用が求められる理由や必要とされる対策、その運用上の課題から外部委託を活用する際のメリット・デメリットまで、幅広く解説します。

24/365とは?

「24H」と書かれた積み木と置き時計が並んだ写真

24/365とは24時間365日を意味する言葉であり、システム運用に関しては24時間365日を通してシステムやサービスを稼働させる体制を指します。「24365」と表記されることもあり、常時稼働が前提のビジネスや、止まってはいけないサービスにおいて一般化した言葉です。

24/365という概念は、ITシステムに限らずコールセンターやサポート窓口などさまざまな業務でも当てはまります。いずれも「止まらない」ための仕組みを用意する点で共通しており、ユーザー満足度やビジネスの継続性を支えるうえで欠かせない役割を担っています。

24/365運用が求められるサービスや業界

日常的に目に触れるサービスから、企業活動を支える基盤まで、24/365運用が必須となるケースを見ていきます。

具体例としてまずあげられるのが金融業界です。オンラインバンキングや決済システムは日常生活になくてはならないインフラのため、障害が起きて利用できなくなることは大きな損失となります。365日いつでも口座残高を確認できて、決済がおこなえることがお客様の利便性と信頼を保つ鍵です。
EC業界も同様に、日々おこなわれる膨大な取引を止めないために24/365運用を求められます。大型セールなどでアクセスが集中するタイミングもあり、ハードウェア面やソフトウェア面の定期的な見直しと負荷対策が必須になります。

また物流や運輸、医療業界などもシステムトラブルによるリスクが高い分野です。例えば交通機関では運行(運航)管理システムが止まればダイヤが乱れ、医療システムであれば患者情報の参照ができなくなることも考えられます。こうした業種では安定稼働への投資が特に重要とされます。

システムを24時間365日安定稼働させるための主な対策

こちらに指を向けてパネルを操作している男性の写真

システムを常に稼働させ続けるために重要な、代表的な対策を解説します。

SPOF(単一障害点)対策

SPOF(単一障害点)とは、そこが機能停止するとシステム全体が止まってしまう弱点のことです。24/365の安定稼働を支えるには、まずこの弱点への適切な対策が重要です。

主なSPOF対策として、以下の手段があげられます。

  • システム構成を冗長化し、「単一の障害が発生してもシステム全体は止まらずに動き続ける」状態をつくる

  • 負荷分散を導入し、トラフィックや負荷が一か所に集中することを防ぐ

  • 自動フェイルオーバーを実装し、障害発生時に自動で予備のシステムに切り替わる仕組みをつくる

SPOF対策を実施し、まずは「止まりにくい」システムの土台づくりをおこなったうえで、監視や復旧フロー、バックアップの整備など、早く気付いて早く直すための対策に取り組みます。

システム監視

システム監視では、サーバの稼働状況やネットワークのトラフィックを常時チェックし、異常があればアラートを出す仕組みを整えます。

ツールの導入だけではなく、監視データを分析しボトルネックを特定する運用体制が重要です。定期的にログをレビューすることで、障害の兆候やセキュリティリスクを早期発見できます。

近年はクラウドベースの監視サービスも普及し、リアルタイムでのアラート連携がより高度化しています。異常検知の自動化と人的確認のバランスをとることで、余計な通知による担当者の疲弊を防ぎつつ、迅速な対応につなげられます。

障害発生時の迅速な対応フローの整備

障害が起こった際、まずは影響範囲を特定し、復旧に向けた優先度の判断が大切です。24/365運用では特に、夜間や休日でも対応が遅れるとビジネス的損失が拡大するため、明確な緊急連絡先とプロセスを準備しておく必要があります。

対応フローはできるだけシンプルかつ標準化しておくことが望ましいです。担当者が交替しても同じ手順を踏めるようなチェックリストを整備すれば、スムーズな引継ぎや迅速なリカバリが実現します。

また、障害対応の記録を残してナレッジとして蓄積することも不可欠です。再発防止の観点で振り返りをおこない、なにが原因でどのように復旧したのかを共有すれば、今後のトラブルに備えた運用体制がより強固になるでしょう。

バックアップ・リカバリ体制の構築

24/365運用では、いつ障害が発生しても短時間で元の状態に戻せるようバックアップを取得しておくことが基本です。データベースや重要ファイルのバックアップはもちろん、システム設定やアプリケーション自体のバックアップも検討が必要です。

バックアップの取得頻度だけでなく、リカバリ手順が整備されているかも重要なポイントです。実際にリストアテストをおこない、手順通りに復旧が可能か定期的に確認しなければ、いざというとき手順が機能せず復旧に時間がかかる恐れがあります。

前述したように、冗長化されたシステム設計やクラウドへのバックアップなど、多層的な保護体制を整えることでリスクを最小限に抑えられます。運用中のシステムへの影響を最小化する工夫も忘れずに取り入れておくと、保守作業がスムーズです。

セキュリティ強化と脅威対策

24/365運用は常に外部からアクセスが可能な状態でもあります。そのため、攻撃リスクを想定したファイアウォールの設定や不正アクセスの監視など、セキュリティ対策が欠かせません。

最新の脆弱性情報をキャッチアップし、ソフトウェアやOSを定期的にアップデートするのは基本ですが、万が一侵入された場合の検知体制まで考慮する必要があります。IDSIPSなどの検知・防御システムとの連携も有効です。

特に夜間や週末は担当者の人数が少なく、セキュリティインシデント対応が遅れるリスクがあります。自動化ツールや専門チームの連携を強化し、異常を早急に引き上げる仕組みを整備しておくことで、被害拡大を防ぎます。

継続的なシステム改修・保守

システムは稼働しているうちにソフトウェアやハードウェアの老朽化が進んだり、新たな機能追加が必要になるなど、常に変化し続けます。24/365運用を維持するには、定期的なバージョンアップやハードウェア交換を計画的におこなうことが大切です。

改修・保守のタイミングを誤ると、稼働中のサービスに影響を与えかねません。メンテナンスは負荷が少ない時間帯に設定し、止むを得ずサービスを停止する場合もユーザーに周知しながら進める必要があります。

さらに、新しい技術やトレンドを追いかけ、運用効率を高める取り組みを続けることがポイントです。自動化ツールの導入やクラウドリソースの最適活用など、最新の選択肢を検討することで、システムの信頼性と拡張性を同時に高められます。

24/365運用で直面する課題

PCの前で悩んでいる男性の写真

24/365運用の体制を整えるためには、単に技術要素を押さえるだけでなく、運用チームの働き方やマネジメントなど人に関わる管理面も重要です。

人的リソース不足とシフト体制の問題

24時間体制を実現するには、チームを複数のシフトに分けて運用する必要がありますが、十分な人材を確保するのは容易ではありません。特にIT人材不足が叫ばれる昨今、夜勤や交代勤務を敬遠する傾向もあり、シフト表を組むだけで大きな負担となります。

さらに、長時間労働が常態化しやすい運用部門では、スタッフのモチベーション維持や健康管理が大きな課題です。高い専門性を持つ人材が数名に集中すると、その人たちが常に勤務しなければならない状況に陥りがちです。

こうした問題に対しては、要員計画の見直しや外部リソースの活用、あるいは自動化ツールの導入による作業負荷の軽減など、複数のアプローチを組み合わせることが求められます。

コスト増大と教育負担

24/365体制には人件費や設備費用がどうしてもかかり、事業コストを圧迫する大きな要因となります。さらに、システム監視や障害対応の知識を身につけた人員を育成する教育コストも見逃せません。

高度な運用に耐えうる人材を育成するには相応の研修プログラムと実務経験が必要です。新しいツールや高度な技術を導入すれば、その分トレーニングも増えるため、教育負担がさらに大きくなります。

コスト面を最適化するためには、運用効率を高める仕組みづくりが必須です。適切な自動化や標準化の推進によって、属人的に割り振られていたタスクを洗い出し、効率化していく取り組みが鍵となります。

業務の属人化リスク

24/365運用では、特定のスタッフがインフラの構成やシステムのノウハウを独占してしまうケースがあります。これは業務が属人化することで、離職や急な欠員発生時に業務が立ち行かなくなるリスクをはらみます。

担当者が異なるシフトを担っていても、知識の共有が不十分だとトラブル時に適切な対応ができず、復旧の遅れにつながることもあります。定期的な情報共有の場を設け、運用マニュアルをアップデートし続ける仕組みが必要です。

属人化を防ぐためには、ITサービスマネジメントのフレームワークやバージョン管理システムなどを活用し、各スタッフが共通のプラットフォーム上でナレッジを管理することが望まれます。

健康管理・メンタルヘルスへの影響

夜勤や交代制の勤務は、スタッフの生活リズムを乱し、心身ともに負荷がかかりやすい環境です。特に長期的な夜勤が続くと、睡眠障害やストレスの蓄積につながりやすくなります。

こうした負担はモチベーション低下を招き、結果的に業務品質の低下や離職率の高まりを引き起こすことがあります。人材確保が難しい状況では、健康管理に十分配慮したシフトづくりがさらに重要になってきます。

24/365運用を外部委託するメリット

自社での24/365運用が困難な場合、専門事業者への外部委託を検討する企業も多いです。メリットを見ていきましょう。

>>運用担当者向け「システム運用のアウトソーシング選び方ガイド」

システム運用のアウトソーシング選び方ガイド

コストと人材の最適化

自社でフルタイム要員を雇用すると人件費が積み上がりがちです。外部委託では専門人材を必要なタイミングで導入できるため、人件費を抑制しつつ専門性を確保できます。

こうしたコストと人材の最適化は、特にスタートアップ企業や急成長中の企業で大きな恩恵をもたらします。限られたリソースをより戦略的な分野へ振り向けることで、ビジネスとしての競争力を高めやすくなります。

専門知識・最新技術の活用

24/365のサービスを展開する専門事業者は、日々変化する技術動向やセキュリティ脅威に対してノウハウを持っています。自社で一から技術を学ぶ場合、勉強時間や研修費用などがかかるうえ、ナレッジの蓄積にも時間を要します。外部委託を活用すれば、すでに備わっている専門知識を活かしつつ、独自の課題に対応してもらうことが可能です。安定稼働だけでなく、システム全体のパフォーマンス向上やセキュアな運用が実現し、ユーザーエクスペリエンスの向上にもつながります。

コア業務の効率化・生産性向上

24/365運用を自社で実施しようとすると、障害対応や監視業務に人的リソースを割かなければなりません。これらは企業の根幹である製品開発や営業活動、マーケティングなどよりも、直接的な収益にはつながりにくい作業です。

外部委託することで日常的な運用や緊急対応の工数を削減し、本来注力すべき分野に時間とエネルギーを振り向けることができます。これにより新しいサービスや機能開発、顧客サポートの充実といった領域にフォーカスできるようになります。

結果的に社内の生産性が高まり、会社全体のパフォーマンスにも良い影響を与えます。長期的な視点で見ると、運用プロセスのアウトソーシングはビジネスの成長戦略を促進する大きな要素となるでしょう。

24/365運用を外部委託するデメリット

キーボードに何かを打ち込んでいる女性の写真

前項で外部委託のメリットを解説しましたが、外部委託も決して万能ではありません。委託によるデメリットやリスクを踏まえて判断する必要があります。

導入コスト・コミュニケーションの課題

ITインフラの内容や規模に応じて、委託時に初期導入コストがかかる場合があります。運用設計のコンサルティング費用や、システム連携のための追加開発費など、想定外の出費が発生することもあります。

また、委託先との間で情報共有が不十分だと、問題の発見や判断を誤ってしまう可能性があります。万一、障害対応をおこなう際に状況の認識にずれがあると、復旧が後手に回るリスクが高まります。

導入前からコミュニケーション方法や定例ミーティングの頻度などを明確に取り決め、スムーズな連携ができる環境を整えておくことが望まれます。

運用ノウハウが蓄積されない

委託先に任せきりになると、自社内では運用に関する実践的な経験や知識がたまりにくくなります。委託先への依存度が高まるほど、サービス品質のコントロールが外部主導になりやすく、企業の戦略的意思決定にも影響がおよぶかもしれません。自社の方針と整合性を常に確認する必要があります。

こうしたデメリットを緩和するために、委託先から運用レポートやノウハウを定期的に吸収し、必要に応じて自社スタッフが運用プロセスに参画できる体制を整えておくことが推奨されます。

外部委託先を選定する際に確認すべきポイント

外部委託を検討する場合は自社の要件に合った最適なパートナーを選ぶことが重要です。

類似業界や同規模の企業をサポートした実績があるか、導入事例を確認するとともに技術スタッフのスキルや体制を把握しておきましょう。

コミュニケーション面では、どのような手段・頻度で連絡を取り合うのかを事前にすり合わせることも大切です。運用中に問題が起きた際に敏速な連絡が取れるかどうかは、運用品質を大きく左右する要素です。

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24/365運用を外部委託した成功事例

エヌアイデイが24/365の監視および運用保守を請け負い、お客様の課題を解決した事例をご紹介します。

お客様はリソースの問題から社内で監視体制を抱えることが困難でしたが、エヌアイデイへアウトソーシングいただいたことで社内の組織体制を変えることなくシステムの安定稼働が実現し、なにか問題が発生しても柔軟かつ迅速に対応できる環境が整いました。

  • アウトソーシング前の課題
  • 24時間365日の運用監視を社内リソースだけで実現するのは難しい
  • リアルタイムにエラー通知を受け取れず運用負荷が増大
  • 運用上の新たな課題が発生した際に迅速かつ柔軟な対応ができない
  • アウトソーシング後の変化
  • 社内リソースが十分に確保できないなかで、社内の組織体制を変更することなく、質の高い運用監視による安定稼働を継続
  • インフラチーム、アプリチーム、監視チームがシームレスに連携し柔軟で迅速な改善ループを実現
エラーや問題の発生にリアルタイムに気付ける環境を整備

24時間/365日のリモート監視・運用サービス「Mesoblue MSP」

「Mesoblue MSP」はエヌアイデイが提供する24時間/365日のリモート監視・運用サービスです。大手航空会社の大規模システムを50年以上運用してきた実績で、お客様の大切なサービスを24時間/365日で監視・運用いたします。

障害検知から障害一次対応、システム運用設計から改善まで、サーバの運用・監視にまつわるお困りごとは「Mesoblue MSP」 にご相談ください。

>>運用監視サービスならエヌアイデイ「Mesoblue MSP」

まとめ

商談が成立し握手しているビジネスマンたちの写真

24時間365日システムを止めないためには、監視や障害対応、バックアップ体制の整備、セキュリティ対策など、多方面からの取り組みが欠かせません。一方で、常時稼働を維持するには多額のコストや人的リソースが必要であり、組織構造やマネジメント上の課題も存在します。

こうした課題を解決する方法の一つとして、専門業者への外部委託があげられます。専門知識やスケールメリットを活用することで、費用対効果の高い安定稼働を実現できる一方で、コミュニケーションやノウハウ蓄積の面でのデメリットも存在しています。その両面を理解し、企業ごとに異なる要件や優先度を考慮しながら、最適な運用方法を選択することが重要です。

エヌアイデイは、50年以上にわたる実績と経験に基づいた高品質な24/365の運用監視サービスを、IT系企業や製造系企業など多くのお客様にご提供しています。自社の体制に少しでも不安がある方はお気軽にご相談ください。

NID コラム編集部
NID コラム編集部
エヌアイデイのITナレッジカフェは、50年以上にわたり幅広いITトータルソリューションを提供する独立系IT企業「株式会社エヌアイデイ」の企業コラムです。 デジタル化のご相談、受託開発、システム運用監視など、SIerをお探しの方は気軽にご相談ください。

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