MSPとは?サービスを導入するメリットや選び方を徹底解説
近年、企業のIT環境はますます複雑化し、技術の進化にともない、システムの運用保守や監視にかかる負担も増大しています。
このような状況において、「MSP(マネージドサービスプロバイダー)」が提供するサービスは、企業にとって非常に重要な役割を担っています。MSPサービスを導入することで、企業はITインフラやシステム運用監視の一部またはすべてを外部の専門業者に任せることができるため、システム担当者のリソースを本業に集中させることが可能になります。高品質なシステム運用監視を実現したい企業にとっては有効な選択肢です。
また、ITエンジニア不足に悩む企業にも最適なサービスといえるでしょう。
本記事では、MSPサービスを導入するメリットや選定ポイントを詳しく解説します。
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- 1.MSP(マネージドサービスプロバイダー)とは?
- 2.MSPサービスが注目される理由
- 3.MSPが提供するサービス
- 3.1.システム監視(24時間365日)
- 3.2.システム運用保守
- 3.3.問題点の分析・改善提案
- 4.MSPサービスの導入メリット
- 4.1.業務効率化
- 4.2.夜間休日の業務負荷軽減
- 4.3.システムの安定性と可用性の向上
- 4.4.コスト削減
- 4.5.環境に依存しないシームレスな運用監視
- 5.MSPサービス導入時の注意点
- 6.失敗しないMSPサービスの選び方
- 6.1.監視対象範囲の確認
- 6.2.サービス内容の確認
- 6.3.スケーラビリティと柔軟性
- 6.4.契約内容とサポート体制の確認
- 7.まとめ
MSP(マネージドサービスプロバイダー)とは?
「MSP(マネージドサービスプロバイダー) 」とは、企業のITインフラやシステムの運用保守や監視などを代行するサービスを提供する事業者のことを指します。
事業者によってサービス内容や提供範囲、強みは異なりますが、社内のシステム担当者に代わって日常的なシステムの運用保守や監視をおこない、システムが安定して稼働するようにサポートしてくれます。もしシステムに問題が発生した場合には、迅速に復旧作業をおこない、原因を特定して解決に導きます。
MSPサービスが注目される理由
「MSPサービス」が注目されるようになった理由の一つは、コロナ禍でリモートワークが増えたことです。
これまで多くの企業では、社内のシステム担当者がITインフラやシステムの運用保守や監視などをおこなっていましたが、リモートワークが増えると出社できないことが多くなり、システムの運用保守や監視業務の遂行が困難になりました。そこで、外部の専門業者にシステムの運用保守や監視などを委託するMSPサービスの需要が急増しました。
さらに、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により、多くの企業がデジタル化を加速させています。これにともなってITエンジニアの育成が求められています。
しかし、優秀なITエンジニアの確保は容易ではなく、多くの企業が人材不足に直面しています。MSPサービスを導入することで、こうした人材不足の課題を解消し、企業のシステム運用監視を外部の専門業者に任せることができます。
また、MSPサービスは、多様化するビジネスの要望にも的確に対応します。クラウドサービスの円滑な移行や、企業独自のニーズにあった柔軟なサービスを提供することにより、最適なIT環境の構築をサポートします。
このように、ITインフラが複雑化する現代において、MSPサービスは企業が効率的かつ安全にITリソースを運用するために必要不可欠な存在となっています。その役割はさらに拡大し、今後も多くの業界で活用されていくことでしょう。
MSPが提供するサービス
MSPのサービスは提供する事業者によって異なりますが、
ここでは、具体的なMSPサービスについて解説します。
システム監視(24時間365日)
システムが常に安定して稼働しているかを監視します。
24時間365日体制でシステム監視を実施することは、企業運営において非常に重要な要素となります。
常時監視により、システムダウンやセキュリティインシデントを早期に発見し、迅速に対応することが可能となるため、システムのダウンタイムを最小限に抑えることができます。
システム運用保守
システム運用保守は、企業のITインフラを円滑に保つために必要不可欠な要素です。
パッチ処理やバックアップなどの定例作業をはじめ、障害発生時には緊急連絡や障害一次対応など、迅速な障害回復対応を実施します。
システム運用保守の重要性を認識し、適切な運用体制を整えることが企業の成長につながるでしょう。
問題点の分析・改善提案
システムに生じた問題を迅速に分析し、適切な改善提案をおこないます。
企業のシステムは予期せぬ問題が発生することが避けられませんが、これを放置すると業務効率の低下やシステム障害の拡大により、多大な損失を招く可能性があります。
迅速な分析と改善提案をおこなうことで、問題解決の効率が格段にあがり、結果としてビジネスへの影響を最小限に抑えることができるでしょう。
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MSPサービスの導入メリット
MSPサービスの導入は、企業が効率的にシステムの運用保守や監視をおこなううえで重要な選択肢となっています。
ここでは、MSPサービスの導入メリットをまとめています。
自社のシステムに適したMSPサービスを選定する際の助けになるでしょう。
業務効率化
MSPサービスを導入することで、業務の効率化を図ることができるでしょう。
システムの運用保守や監視を外部の専門業者に委託することで、社内のシステム担当者は、より戦略的な業務に注力できるようになります。
例えば、新しいサービスのシステム企画やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進など、企業の成長に直結する重要な業務にリソースを集中できます。
このように、MSPサービスを導入することで、社内のリソースを効率的に使い、業務全体がスムーズに進むようになるでしょう。
夜間休日の業務負荷軽減
MSPサービスを導入することで、夜間や休日の業務負荷を軽減することができます。
例えば、夜間休日の定例作業やシステムの障害対応を専門業者に任せることで、社内のシステム担当者の負担を減らし、対応速度が向上するでしょう。
また、社内のシステム担当者が24時間365日のシステム運用業務をおこなう必要がなくなるため、コア業務へリソースの集約が可能になるとともにワークライフバランスの向上につながります。
システムの安定性と可用性の向上
MSPサービスを導入することで、24時間365日のシステム運用監視が実現し、障害の早期発見と迅速な対応が可能となります。これにより、システムダウンなどのリスクを減少させ、ビジネスが中断されるリスクを低減することができます。
コスト削減
MSPサービスを導入することで、企業はITインフラの運用コストを大幅に削減することができるでしょう。
例えば、自社でシステムの運用保守や監視をおこなう場合には、専任スタッフの配置や高額な設備を購入する必要があります。
しかし、MSPサービスを導入すると、外部の専門業者に運用保守や監視などの業務を委託できるため、人件費や設備維持費を削減することが可能になります。
環境に依存しないシームレスな運用監視
MSPサービスは、オンプレミスとクラウド環境の両方の運用監視をおこなうことができます。企業のITインフラがハイブリッド環境であっても、MSPはそれぞれの環境に最適な監視体制を提供し、パフォーマンスや可用性を最適化します。これにより、システム障害やリスクを最小限に抑え、ビジネスの安定した運営をサポートします。
MSPサービス導入時の注意点
MSPサービスを導入する際には、コストの透明性をしっかり確認することが重要です。サービス導入後に予想外の追加費用が発生する可能性もあるため、契約時に料金体系を正確に把握しておく必要があります。
特に、基本料金の中にどの範囲までのサービスが含まれているのかを確認し、オプションサービスの利用時やトラブル対応時の追加費用についても事前に明確にしておくことが不可欠です。これにより、予期せぬトラブルを防ぎ、スムーズに導入を進めることができるでしょう。
失敗しないMSPサービスの選び方
MSPサービスを導入する際には、自社のニーズに適したMSPサービスを選定することが成功の鍵となります。
選定のプロセスでは、いくつかの重要なポイントを確認する必要があります。
ここでは、MSPサービスを選定する際に抑えておきたい基準や考慮すべきポイントについて詳しく解説します。
監視対象範囲の確認
MSPサービスを選定する際には、監視対象の範囲を確認することが重要です。
ネットワーク機器の監視の有無やアプリケーションの死活監視が提供されているのかなどを確認し、自社が求める監視対象範囲とマッチしているかをチェックしましょう。
事前に監視対象範囲を確認することで、自社のシステム要件や業務にあった適切なMSPサービスを選定できるでしょう。
サービス内容の確認
MSPサービスを選定する際には、提供されるサービス内容の詳細を確認することが重要です。専門業者ごとに得意とする分野や提供するサービス範囲が異なるため、自社のニーズに応じた適切なパートナー選びが求められます。この段階で詳細な情報を把握することで選定のミスマッチを防ぎ、予期せぬトラブルを防ぐことができるでしょう。
例えば、システム監視サービスでは24時間365日の監視体制を提供するものもあれば、特定の時間帯のみの監視体制を提供するものもあります。
さらに、障害対応の範囲や、アラート連絡の件数、稼働報告の有無なども確認しましょう。
最終的には、自社の目指すゴールや必要なサポート範囲を明確にし、それに基づいてサービス内容を精査することが肝要です。
スケーラビリティと柔軟性
MSPサービスを選定する際には、自社の成長や業務の変化に応じて、柔軟に拡張や縮小が可能かどうかを確認することが重要です。
なぜなら、ビジネス環境は絶えず変化しており、企業が成長する過程や事業内容が変わる中で、システムや運用の規模を迅速かつ効果的に調整できる能力が求められるためです。スケーラビリティに優れたMSPサービスを選ぶことで、企業は成長や変化にあわせたシステム調整を迅速におこなえるようになり、事業拡大に専念できる安定した基盤を整えることができます。
このように、将来的な変化にも柔軟に対応できる環境が整い、安心してビジネスの成長に注力できるようになります。
こうした視点は、MSPサービスの選定時に欠かせない重要なポイントといえるでしょう。
契約内容とサポート体制の確認
契約内容とサポート体制を事前に確認することは、MSPサービスを導入する際の重要なステップです。契約内容にサービスの詳細や対応範囲が明確に記載されていなければ、後々トラブルにつながる可能性があります。
契約書にしっかりと目を通し、提供されるサービスの内容や範囲を確認し、疑問点があれば事前に相談しましょう。
また、サポート体制についても詳細を把握することが不可欠です。
例えば、対応が迅速におこなえる窓口が設けられているか、専任の担当者がつくのか、緊急時や障害時の体制がどうなっているのかといった点に注意しましょう。
契約内容とサポート体制の事前確認を徹底することが大切です。
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まとめ
MSPサービスは、企業のITインフラやシステムの運用監視や保守などの業務を効率化し、コスト削減やリスクの軽減に貢献する価値ある選択肢です。
まだMSPサービスを導入していない企業は、今こそMSPサービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
MSPサービスの導入を検討している方は、この記事で紹介した選定ポイントを参考にして、自社に最適な専門業者を探してみてください。適切なMSPサービスを活用することで、業務の負担軽減やITインフラの強化が可能になるでしょう。導入支援やサービス内容についてプロフェッショナルに相談し、具体的な課題を解決できるパートナーを見つけましょう。
今後、IT業務の多様化や複雑化が進む中、MSP市場では高度で柔軟な対応が求められ、ますます競争が激化していきます。そのため、現在利用しているサービスやパートナーシップを再評価し、最適な委託先を慎重に選定することが重要です。過去にどのような企業と取引してきたのか、その実績や信頼性をしっかり確認することが大切です。
信頼できる専門業者を選ぶことができれば、長期的かつ安定したパートナーシップを築くことができるでしょう。
エヌアイデイは、AWS Partner Network(APN)アドバンストティアサービスパートナーとして、高品質な運用監視サービスをIT系企業や製造系企業など多くのお客様にご提供しています。ITに精通した専門チームが24時間365日、リモートにて運用監視から一次障害対応などを実施しています。
長年培った知識と経験による最適なご提案をおこないますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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